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塩ビ素材を加工したレーザーのメンテナンス

今回は、珍しい事例をご紹介します。


他の販売店でレーザーを買ったものの、その後のメンテナンスを引き受けてもらえないということで、当社にメンテナンスをご依頼されたお客様のレーザーなのですが、

こちらのお客様は、レーザーではご法度の塩ビ素材の加工を数年にわたって加工されたということです。


塩ビを加工したらこうなる、という事例として掲載いたしました。(お客様のご了解を得ています)


画像では、イマイチわかりづらいと思いますが、塩ビ加工時に発生する噴煙に晒された部位が極度に腐食していました。 白っぽいブツブツが塩素で侵された箇所です。


レンズなどの光学系は腐食していないのですが、アルミ、スチールで構成されたパーツは ほぼ全滅です。

塗装が施されたパーツは、金属と塗膜の間に錆が発生し、塗膜が剥がれ落ちています。中に入っている基板もコネクターなどの端子が錆びて、その錆が成長して端子間が短絡しかけていました。


プロッター方式のレーザーは、基本的にX軸とY軸アームで構成されているのですが、このアーム表面が腐食し、表面に細かい凹凸が発生していました。このアームには、レーザー照射用のレンズユニットがローラーベアリングで走行するための溝があるのですが、この溝の表面が凹凸になっているため、レンズユニットがスムーズに動きません。


噴煙にいちばん晒されるX軸アームです。表面が凹凸だらけです。 ここでは見えませんが、Y軸のアルミ製ドライブギアが腐食して錆が発生し、その錆で、ギアの溝が埋まっている状態でした。 アームの左側にある反射ミラー(赤い部分)も、錆でミラーユニットとブラケットが固着してしまい、外すことすら出来ないためブラケットごと全交換となってしまいました。


腐食した部品は交換すれば良いのですが、何よりも、パーツ同士を固定しているネジ類が腐食し、錆によって固着、パーツ交換もままならないという状態でした。

また、そのネジでさえ、六角レンチやドライバーを嵌める孔が錆で埋まってしまい、レンチが使えない状態のため、特殊なプライヤーでネジを挟んで回さなければならないという、過去に例を見ないメンテナンスになりました。


ということで、塩ビ素材の加工は、くれぐれもやらないようにしてください。 交換部品、修理工賃がとんでもないことになっていまします。 


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