レーザー加工機のランニングコスト
レーザー加工機の運用では、本体や周辺機器の電気代に加え、集塵機のフィルター代、長期使用に伴うレーザー光源や光学部品の更新費用を考慮する必要があります。実際の費用は、機種、加工する材料、加工内容、使用時間によって変わります。
レーザーの種類ごとにかかる費用
| レーザーの種類 | 日常的にかかる費用 | 長期使用で考慮する費用 |
|---|---|---|
| CO₂レーザー | 本体・排気装置の電気代。集塵機を使う場合はフィルター代 | ガラス管式ではレーザー管の交換費用。RF励起式ではリチャージ費用。レンズやミラーなどの交換費用 |
| ファイバーレーザー | 本体の電気代。集塵機を使う場合はフィルター代 | 光源や光学部品の更新費用 |
| UVレーザー | 本体の電気代。集塵機を使う場合はフィルター代 | 光源ユニットや光学部品の更新費用 |
| ダイオード(半導体)レーザー | 本体・排気装置・エアアシストなどの電気代。集塵機を使う場合はフィルター代 | レーザーモジュールの交換費用 |
CO₂レーザー:ガラス管式とRF励起式
CO₂レーザーには、主にガラス管式(直流励起)とRF励起式があります。どちらも光源に寿命がありますが、寿命に達した際の対応が異なります。
| 光源の方式 | 寿命の参考値 | 寿命に伴う費用 |
|---|---|---|
| ガラス管式 | 約3,000時間 | レーザー管の交換費用 |
| RF励起式 | 約10,000時間 | リチャージ費用 |
※寿命は一般的な製品を想定した参考値であり、当社取扱製品の保証時間ではありません。ガラス管式は切断を多用すると、交換時期が早まる場合があります。
封入式CO₂レーザーは、使用していない間も経年によって封入ガスの状態が変化し、出力が低下する場合があります。そのため、使用頻度が低くても「稼働時間が少ないから長年使える」とは限りません。加工内容、使用環境、使用年数、個体差によって交換・リチャージの時期は変わります。
ファイバーレーザー:光源と光学部品
ファイバーレーザーは、日常的にインクやレーザーガスを補充して使用する方式ではありません。主な日常費用は電気代と、集塵機を使用する場合のフィルター代です。
光源や光学部品にも寿命があるため、長期使用では出力低下に伴う更新費用を考慮します。金属の深彫りや塗膜除去など、粉じんが多い加工では、集塵フィルターの交換頻度も変わります。
UVレーザー:光源寿命と使用環境
UVレーザーにも光源寿命があります。出力が低下した場合は、光源ユニットなどの更新費用が発生します。
355nmのUVレーザーには、紫外光を生成するために波長変換用の結晶を使用する機種があります。結晶の材質や構成は機種ごとに異なるため、すべてのUVレーザーにBBO結晶を使用すると断定しないでください。
熱や湿気、冷却状態は光源の性能や寿命に影響します。メーカーが指定する温度・湿度の範囲で使用することが大切です。UVレーザー全体に共通する寿命時間は掲載しないでください。
ダイオードレーザー:過熱による寿命低下
ダイオード(半導体)レーザーにも光源寿命があります。使用に伴って出力が低下した場合は、レーザーモジュールの交換が必要になることがあります。
冷却が追いつかず、高温の状態で連続稼働すると、光源の寿命が短くなる可能性があります。メーカーが指定する使用環境を守り、冷却用の吸排気口をふさがないことが大切です。
集塵機のフィルター代
加工時に発生する煙や粉じんを集塵機で処理する場合、交換フィルター代がかかります。集塵機によっては、粉じん用フィルターと、臭いの成分を吸着する活性炭フィルターを別々に交換します。
交換頻度は、材料、彫刻・切断などの加工内容、使用時間、煙の量によって変わります。フィルターの寿命はレーザーの使用時間だけでは判断できません。集塵機本体の電気代も別途発生します。
電気代の計算方法
電気代は、レーザー加工機本体と、使用する周辺機器の消費電力を合わせて計算します。
電気代の目安 = 平均消費電力(kW)× 使用時間(時間)× 電力量単価(円/kWh)
周辺機器には、集塵機、排気ファン、エアアシストなどがあります。製品に表示される「レーザー出力(W)」は、機械全体の消費電力ではありません。
