LASER PROCESSING JOURNAL
K5クリスタルキーホルダーに内部彫刻

今回は、
-
SCULPFUN V5
-
xTool F2 Ultra UV
の2機種を使用し、同じK5クリスタルキーホルダーへ内部彫刻を行い、その違いを比較してみました。


単純なスペック比較ではなく、
-
実際の仕上がり
-
加工方式の違い
-
LED照明時の見え方
-
通常加工時の特性
についても詳しく解説していきます。
今回使用した素材

今回使用したのは、小型のK5クリスタルキーホルダーです。
内部彫刻では、
-
透明度
-
白化密度
-
側面発光
-
微細表現
が非常に分かりやすく現れる素材です。
そのため、機種ごとの描写力や加工アルゴリズムの違いが非常に見えやすくなります。
まず結論
完成品を比較すると、両機種とも非常に完成度が高く、内部彫刻という視点では甲乙つけがたい印象でした。
ただし、表現の方向性には違いがあります。
SCULPFUN V5は、
-
シャープ
-
線画的
-
クリア
な表現が得意で、
xTool F2 Ultra UVは、
-
高密度
-
階調豊富
-
立体感重視
な表現が得意という印象でした。
つまり、
V5
「線で魅せる内部彫刻」
F2 Ultra UV
「面と密度で魅せる内部彫刻」
という違いがあります。
どちらが優れているというより、表現の方向性が異なると言った方が正確かもしれません。
実際の比較結果

同一データを使用して比較すると、かなり特徴の違いが見えてきます。(左がV5 右がF2 Ultra UV)
SCULPFUN V5は比較的輪郭主体の表現で、
-
シャープ
-
クリア
-
線画的
な印象があります。
一方、xTool F2 Ultra UVは、
-
白化密度が高い
-
陰影が豊富
-
奥行き感が強い
-
立体感が高い
という特徴がありました。
これは単純な出力差ではなく、加工アルゴリズムや加工方式の違いが影響していると考えられます。
LED点灯時の違い

LED照明を使用すると、両機種の違いはさらに分かりやすくなります。(左がV5 右がF2 Ultra UV)
SCULPFUN V5は比較的輪郭主体で発光するため、
-
シンプル
-
クリア
-
神秘的
な印象があります。
一方、xTool F2 Ultra UVは内部全体が強く発光し、
-
陰影
-
密度感
-
奥行き感
-
存在感
が非常に強く現れました。
特にF2 Ultra UV側は、内部に“像そのもの”が浮かんでいるような見え方になります。
これは、
-
白化密度
-
微細ドット密度
-
光散乱量
が高いためだと考えられます。
加工方式の違いによる表現差
今回の比較では、「加工方式そのものの違い」も非常に印象的でした。
SCULPFUN V5は比較的スキャン主体の加工方式となっており、短時間で効率良く内部彫刻を行えます。
そのため、
-
シャープ
-
シンプル
-
線画的
な表現との相性が良い印象でした。
一方、xTool F2 Ultra UVはドット主体で内部彫刻を行っているような表現になっており、より高密度に微細点を積み重ねている印象があります。
その結果、
-
白化密度
-
階調表現
-
奥行き感
-
立体感
では非常に優れた結果となりました。
ただし、その分加工時間は長くなります。
今回の比較でも、F2 Ultra UVの方が加工時間を要しました。
つまり、
SCULPFUN V5
-
高速
-
シャープ
-
線主体
xTool F2 Ultra UV
-
高密度
-
高立体感
-
高情報量
という方向性の違いがあると感じました。
これは単純な性能差というより、「どのような内部彫刻表現を目指しているか」という設計思想の違いが大きいように思います。
ビームエキスパンダーについて
ビームエキスパンダーは、レーザー光を一度大きく広げてから集光レンズへ入射させる光学系です。
実際には、
-
通常彫刻
-
深彫り
-
カラー彫刻
-
微細マーキング
-
高精細加工
など、一般的なレーザー加工全般において、その効果が大きく現れます。
倍率が高くなるほど、
-
集光スポットが小さくなる
-
エネルギー密度が高くなる
-
微細加工性能が向上する
という特徴があります。
つまり、5倍 → 10倍 → 15倍と倍率が上がるほど、
-
より細い線
-
より深い彫刻
-
より高密度な加工
-
よりシャープな輪郭
が可能になります。
特に内部彫刻では、非常に小さな点へ高密度にエネルギーを集中する必要があるため、一般的には12倍以上のビームエキスパンダーが必要になります。
通常のUVレーザーでは、特に指定しなければ10倍エキスパンダーが搭載されるケースが多いのですが、SCULPFUN V5は最初から15倍ビームエキスパンダーを採用しています。
そのため、
-
集光性
-
エネルギー密度
-
微細加工性能
が非常に高く、通常加工においてもかなりパワフルな印象があります。


通常加工時の特性の違い
今回比較した内部彫刻では、両機種とも内部彫刻専用レンズを使用しています。そのため、通常加工時とは異なる光学構成となっています。
ただし、通常のレーザー加工という視点で見ると、SCULPFUN V5とxTool F2 Ultra UVでは設計思想にかなり違いがあります。
SCULPFUN V5の標準レンズは150×150mm構成となっており、xTool F2 Ultra UVの220×220mmと比較すると、加工範囲は若干コンパクトです。
しかしその分、
-
エネルギー密度
-
集光性
-
彫刻パワー
では有利になりやすく、表面加工については全般にパワフルな印象があります。
一方、xTool F2 Ultra UVは220×220mmの広い加工エリアを持ち、
-
カメラ位置合わせ
-
初心者向けUI
など、多機能性や扱いやすさに優れています。
まとめ
今回の比較では、SCULPFUN V5とxTool F2 Ultra UVは、どちらも非常に完成度の高い内部彫刻機であることが分かりました。
内部彫刻という視点では、正直なところ甲乙つけがたいレベルです。
ただし、
-
V5はシャープで線画的
-
F2 Ultra UVは高密度で立体感重視
という表現の違いがあります。
また、通常加工という視点では、
SCULPFUN V5は加工範囲が若干コンパクトな分、表面加工については全般にパワフルな印象があります。
一方、xTool F2 Ultra UVは広い加工範囲とカメラ機能を持ち、多機能性に優れています。
強いて違いを挙げるのであれば、
-
カメラを搭載しているか
-
ソフトウェアの方向性
の違いが大きいかもしれません。
SCULPFUN V5は比較的“プロ向け”な雰囲気が強く、xTool F2 Ultra UVは初心者でも扱いやすい方向性にまとまっています。
つまり、
SCULPFUN V5
-
プロ向け寄り
-
パワフル
-
シャープな表現
xTool F2 Ultra UV
-
初心者向け
-
多機能
-
高立体感表現
という違いがあります。
動画はこちら
株式会社レーザーワークスでは、両機種の実機デモも承っております。お気軽にお問い合わせください。
