今回は、時計の裏蓋(ステンレス)へのレーザー刻印です。刻印というよりは、マーキングと言ったほうが良いかもしれません。
レーザー刻印(レーザーマーキング)は一般的なプレス刻印等によるエンボス加工とは趣が異なります。
一言にレーザー刻印(レーザーマーキング)と言っても『酸化させる』、『変色させる』、『溶かす』、『剥がす』と素材によって異なります。
今回のような、ステンレスへのマーキングは、『酸化させる』、ということになります。
では、今回の本題である時計の裏蓋へレーザー加工です。
材料は、あらかじめブレスレットの部分が取り外されています。
まず最初に、位置固定用の冶具をアクリル板を使って製作します。(とはいっても、レーザーで丸穴を開けるだけですが)
この丸穴に材料をセットします。
刻印データは、この冶具を作ったデータを用いることによって、加工位置のズレが生じないようにします。
また、今回の刻印データ=文字の書体は、シングルストロークフォント(単線フォント)を用いました。
理由は、ウィンドウズのtrue type font を使うと、レーザーでの加工時間が長くなり、材料への熱の影響が懸念されたためです。
材料をセットし、フォーカス(焦点距離)を合わせます。もちろん使用するレンズは高密度レンズです。
こちらが、加工中の動画です。加工時間は概ね25秒でした。
今回は、レーザーの出力設定を調整するため、上段の『2008,10,2』と下段の『Happy Birthday』を別々に加工しました。
上段は、照射時間を長め、下段は、上段よりも短めにレーザーをあてています。
今回はテスト用サンプルが1個しかなかったため、いくつかの条件を試すことができませんでしたが、もう少し弱めの出力のほうが綺麗に加工できたかもしれません。
ステンレスへのレーザー刻印の場合、あくまでも見た目の話ですが、レーザーを強く当てると黒っぽくなり、文字線の幅も太くなり、逆に、弱めに当てると文字の線幅は細く、色は茶色っぽくなります。
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