4月9日

xTool F1でガラス瓶に名入れ彫刻

xTool F1を使ったガラス材料への彫刻は、以前もやったことがあるのですが、今回、サンプルを作るため、改めて加工してみました。

ガラスへの彫刻ですが、ビジネス用途で加工するのであれば、UVレーザーもしくはCO2レーザーがお勧めです。

理由は、ガラスに直接、加工を行うことが出来るからです。

CO2レーザーで加工するメリットは、レーザー照射を繰り返すことで、深さのある彫刻が可能だからです。

このように彫りが深ければ、後から色を入れることが出来ます。

サンドブラストのように手間をかけず、ボトル彫刻が可能になります。

ただし、このような深さのある彫刻を行うためには、レーザーを繰り返し当てる必要があります。レーザー照射一度では、この深さで彫ることはできません。レーザー出力も最低30W、出来るなら50W以上がお勧めです。

また、レーザー照射を繰り返す必要がありますので、使用するロータリーは、ジョーチャックによるチャック方式がお勧めです。

ローラー方式のロータリーだと、材料を保持せず、ローラーの上に置いているだけなので、二度目、三度目の彫刻時に位置ズレが生じる可能性があります。(厳密に言うと、ほぼズレます)

次に、UVレーザーによるガラス彫刻ですが、UVレーザーでは基本的に深さのある彫刻は出来ません。

CO2レーザーの場合、色付きガラスや熱膨張率の低い耐熱ガラスなどは深く彫れるのですが、透明で熱膨張率の高いソーダガラスなど安価なガラスの場合、照射部位にクラックが入ったり、画像のように、後から捲れてきたりして、綺麗に彫刻することができません。

(引用:©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable)

UVレーザーはCO2レーザーのような熱が主体の加工ではないため、深さのある彫刻は出来ませんが、熱膨張率が高いガラスでも表面に加工を行うことが出来ます。

話が逸れましたが、xTool F1のレーザーは、青色レーザー(ダイオードレーザー)です。

この青色レーザーは、透明な材料を透過してしまいます。

そのままではガラスに彫刻することはできませんが、ガラスの表面に黒い塗料を塗ることで、加工を行うことが出来るようになります。

黒い塗料に吸収されたレーザーによって熱が生じて、その熱で加工するようなイメージです。

ちなみに、表面が黒ければ塗装でなくても良いのではなと思い、黒の薄い樹脂シートを貼って加工を試したことがあるのですが、結果は、ガラスには傷ひとつきませんでした。

面倒ですが、スプレーやエアブラシを使って黒く塗るのが必須となります。

(注:スプレーではなく、筆塗りの場合、塗膜が均一でなくなるため、彫刻にもバラツキが生じます。)

塗料部分だけにレーザーが反応するという特性上、レーザー照射を繰り返すことはできませんので(最初のレーザー照射で塗膜がなくなる)、深い彫刻は不可となります。

これが完成品です。UVレーザーほど精細ではなく、CO2レーザーのように深い彫りもできませんが、時間と手間をかければxTool F1でもガラスに名入れは可能です。