金属へのレーザーマーキング

本日は、ハイパワー高密度集積レンズによるステンレスへのレーザーマーキングです。

通常、レーザーマーキングといえば、金属に対して反射率の低い、波長の短いYAGレーザーが主流だと思います。

巷に出回っているYAGレーザーマーカーはガルバノミラーを使うタイプが多いので加工速度も圧倒的に速く、一瞬で加工が終わります。

ただし、CO2レーザーに比べると加工できる素材が限定され、またガルバノミラーでレーザーを飛ばすため加工エリアが15~20センチ程度、と小さく、わりと高額な商品ですので、資金を持ったメーカーなどが工場などのラインに組み込んだりするには最適だと思います。(価格的には当社の2台分ぐらいです)

これに対し、CO2レーザーを使う小型レーザー加工機でマーキングを行う場合は、従来ですと金属表面に、あらかじめメタルマーキングコンパウンドというペースト材を塗り、乾燥させた後、レーザーを照射し、照射された部位だけが金属基材表面に付着するという、ある意味、塗装のようなものになります。

もちろん塗装よりは、はるかに耐久性があります。

過去に耐久テストを行ったことがあるのですが、サンドブラストを使って高圧で砂を吹き付けて、ようやく剥がすことができる、というぐらい強固なものです。

巷で流通しているCO2レーザー加工機によるレーザーマーキングのほとんどは、このコンパウンドを使用していると思います。

もちろん、コンパウンドを使わないタイプで、いわゆるCO2とYAGのレーザー発振器をダブルで搭載したハイブリッド機もあります。
これならYAGとCO2の両方のメリットを活かすことができます。
ただし、価格的には当社のレーザー3台分は必要でしょう。

さて、ようやく本題に入るのですが、当社の扱うユニバーサルレーザーシステムズの場合、ハイパワー高密度集積レンズ(High Power Density Focusing Optics)というものを使うことにより、コンパウンドなしで加工することができます。

これは、どういうシステムか?というと、通常の場合、レーザー発振器から出てくるレーザーを1つのレンズで絞って材料へ照射するのですが、このHPDFOの場合、平行コリメータとエキスパンダーをレーザー光の経路へ配置することにより、通常、2インチレンズの場合で127ミクロンのレーザースポット系を25ミクロンまで集約することができます。

もちろんウィークポイントがないわけではありません。
このレンズは集光率が大きく焦点深度が非常に浅いため、材料を必ずフォーカスヘッドに対して水平に置いてやらなければなりません。
適当にセットすると、加工ムラが生じます。
また、金や銀、アルミや真鍮などは苦手です。詳しくはレーザーワークスのホームページをご覧ください。

これが、レーザー照射中の画像。コンパウンドを使っていないのに、きちんと金属に反応しています。(当たり前ですが)



これが、完成品。

文字の大きさは、高さ1.5ミリです。今回はラスター加工(スキャン加工)で加工しましたので、加工時間は28秒です。ベクター加工(アウトライントレースモード)なら、もう少し早いでしょう。
色合いについては、照射時間が短ければ、金属の焼け色、いわゆる茶色っぽい色になり、照射時間が長ければ、あるいはレーザー出力が大きければ、黒に近づいていきます。

また、今回は例の如く、当社の30ワットレーザーを使ったので加工時間がそれなりにかかりましたが、50ワット機であれば、快適に金属マーキングを行うことができます。

ということで、さまざまな材料に加工をしたいけれど、金属マーキングも行いたい、という、欲張り(?)な、お客様にはうってつけの商品です。

※HPDFOはユニバーサルレーザーシステムズが特許を持っているので他社で類似商品はありません。