2010年10月
レーザーカッターで2mm厚のNBR(合成ゴム)シートを切断
2010年10月28日(木)11:34
NBR(ニトリルゴム)のレーザーによる切断テストの依頼があったので、その記録を掲載します。

NBRは耐油性の合成ゴムの一種で、NBRという呼び名は聞きなれないかもしれませんが、身近な商品に広く一般的に使われています。

今回、切断するのは2mm厚のシートです。


切断目的なので、レーザー加工機のステージは、カッティング用ハニカムテーブルを使います。


ゴムは引火性があり、粉塵が大量に発生します。 ゆえに、消炎・粉塵除去のため、"バックスイープ"という圧搾空気をレーザー照射ポイントに吹き付けるユニットを装着します。赤いポインタがレーザー照射ポイントですが、そのポイントに合わせてパイプで空気を吹き付けます。



レーザーカットの動画


ゴムの切断・彫刻の速度は、レーザーの出力に大きく依存します。 レーザーの出力が大きいほど、加工時間が短縮されます。ちなみに、今回は30ワットレーザーで切断しています。

さて、切断後の画像ですが、小さいと見にくいので、マイクロスコープを使って拡大してみました。約70倍の拡大写真です。レーザーは上方から入射されています。白いしみは、切断後、洗浄してティッシュで拭き取った際のティッシュペーパーのカスです。


こちらは、上方がレーザーの抜け側で下側が入射側です。入射側に比べると、比較的エッジが立っています。 切断面はスムーズです。紋様や荒れはありません。


こちらは約150倍の画像です。目視では全く分かりませんが、ここまで拡大すると。うすっらと表面に熱によって出来たと思われる細かなクラックが見えます。ただ、ここまで拡大しても、エッジがシャープです。

刃物でゴムを切断すると、刃の切れ具合で切断品質が大きく変わりますが、レーザーの場合は、刃の磨耗、劣化というものがないため、常に同じ品質で加工が出来ます。

また、物理的な力が加わらないため、切断面の歪みもありません。

刃によるプレス切断と比較して、唯一、劣るのは切断時間でしょう。 プレスは一瞬で切断できますから。

こちらは切断ではなく、刻印直後の画像。かなり細かな粉塵が付着しています。 ちなみに臭気は強烈です。


こちらは洗剤と水で洗浄した後。熱による影響は、全く見受けられません。




こういったゴム製品をレーザーで加工する際は、集塵脱臭装置とエアアシストによる消炎が必須です。身近なところだと印章店がレーザーを使っています。


詳細はレーザーワークスまで。


皮革にレーザー刻印(レーザーマーキング)
2010年10月25日(月)15:52
革への刻印サンプルの依頼があったので、手元にあった1.3mm厚のサドルレザーにレーザー刻印を施しました。 革へのレーザー刻印は、加工上の工夫や注意点はとくに無く、どちらかというと、かなりイージーな加工です。


CorelDRAWのクリップアート集から、鷹(鷲?)のデータを使って、適当に配置してみます。
加工サンプルなので、イラストと文字を散りばめます。 


レーザー刻印の後、切断も行いますので、ステージにはカッティングテーブルを使います。


革の刻印は、10ワットクラスのCO2レーザーでも十分に加工可能です。 今回は30Wレーザーで、出力を20%程度まで下げて加工しています。

Youtubeムービー


このような感じで仕上がります。


切断面は焦げます。 革細工同様、コバの処理が必要です。


文字部の拡大。


文字サイズは7ptです。文字高さは、いちばん高いところで約1.8mmです。


けっして、コースターをつくったわけではないのですが、サイズ的にコースターっぽく出来上がりました。




100円ショップで売っているコルクのコースターよりは高級感があります。(と思います。)


詳細はレーザーワークスまで



デニムパンツにレーザーマーキング
2010年10月14日(木)17:43

既に商品化されて、市場にも出回っているのですが、今回はデニムへのレーザーマーキングです。
ちなみに、私がいちばん最初にデニムにレーザーを当てたのは、この業界に入った初期の頃で、かれこれ10年前になります。 

デニムへのレーザーマーキングは、とくに難しいものではなく、レーザー加工機があれば誰にでも簡単に出来ます。もっとも、そのレーザー加工機が、さほどお安くはないのですが。

今回、用意したのは、サイズが変わって履けなくなったデニムパンツです。


今回、加工するデータは、CorelDraw X5のクリップアートのデザインを使いました。


このデータを、マーキングエリアに合わせ、サイズと彩度、濃度、を調整します。


さて、加工するデニムパンツですが、このような形でレーザー加工機に収まるサイズにたたみます。その際、こういった手芸用のグッズを使うと、マーキングエリアを確定しやすくなります。


これを、レーザーの加工エリアに配置し、レッドポインタを使って位置決めを行い、焦点を合わせます。

焦点合わせは、アバウトに行いました。なぜなら、多少、高さにムラがあるほうが、レーザー照射による色落ちにムラが出て、今風になるからです。 同じ色合いで、絵柄をクッキリさせると印刷みたいで味気ないですから。



ということで、レーザーマーキングを。


これが加工直後。

実は、出力設定が弱すぎて、色合いが薄かったため、1度目終了後、再度、レーザーを照射しました。

ただし、レーザーが強すぎると穴が開いてしまったり、デニムのオンス数によっても色落ち度合いや糸の強度が異なりますので、一度はテスト照射をしたほうが良いです。


この太ももサイズのエリア(30cm x 20cm)の場合、約7分でマーキングできます。


一部、レーザーが強すぎて糸のほつれが生じてしまいましたが、これも今風(ダメージ加工)と考えれば問題ないでしょう。(おそらく)




格好いいかどうかはわかりませんが、とりあえずは完成です。ただ、サイズが合わず履くことができないので、ショールームに飾ることにします。


もちろん、ウエストが太くなったわけではありません。 なので、腰履きならいけるかもしれません。


詳細はレーザーワークスまで。 



レーザーカッターで位置決め用治具を作成 (5mmアクリル切断)
2010年10月 8日(金)14:59

とくに珍しくもないのですが、レーザー刻印を行う際に、材料を配置(位置決め)するための治具を切り出しました。ちなみに、治具は当て字だそうで、本体は英単語のjigだそうです。加工位置を指示するために用いる器具の総称だそうです。

治具はアクリル5mmをカットして作ります。今回の治具は円柱状の部品を配置するためのものです。

まずはデータ作成。

黒文字は、スキャン加工(ラスター加工)用のデータです。オレンジの丸は保持ピンの位置を示しています。(後述)
赤色の長方形が、実際にカットするためのベクトルデータとなり、青色の十字マークは、いわゆるトンボです。実際のレーザー刻印時に、これを使って加工データの位置補正を行います。緑の文字は刻印用のシングルストロークフォントです。今回は、治具の製作だけなので使いません。

加工データをまとめてレーザーのコントロールソフトへ転送します。


まず、ベーステーブルをレーザーにセットし、コーレルで作ったデータを見ながらカットラインに重ならない位置に保持ピンを配置します。

今回は、5mm厚のアクリルなので、ピンは6本もあれば十分です。

ということで、早速、加工を行います。

Youtube動画


このような感じで出来上がりました。




光の加減で見えずらいですが、スキャン加工部分です。


これはトンボ部分。ラスター加工ではなく、ベクター加工によるマーキングです。


こちらは切り出された長方形のパーツ。とても綺麗な切断面です。




垂直度合いもバッチリです。


これが完成品




切り出されたパーツが綺麗なので、捨てるのが勿体無い気がします。



レーザーを使えば、とくに特筆すべき加工ではないのですが、レーザーだからこそ出来る加工ともいえます。

レーザーを使わないアクリルの切断は、とても大変だと思います。

詳細は、レーザーワークスまで。